スピーチ全文

作品制作をしている。

公募展に出した作品が最高賞を受賞した。

それにあたり、先日、授賞式でスピーチをした。

何日も前から合間で考えてはいたもののまとまらず、結局ほぼ徹夜で仕上げたスピーチ全文である。

 

この日、炉端焼きの居酒屋でひとり祝盃をあげながら、振り返った。

激スラッシュに挟まれた部分がオリジナル

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ご紹介いただきました(作家名)です。

本日は、このような表彰式を催していただき、誠にありがとうございます。

 

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受賞の知らせを聞いたとき、頭にはお世話になった方々の顔が浮かび、沢山の方に支えられて生きてきたのだと今、実感しております。

その皆様にご報告できたことが今回の受賞において何よりも嬉しいことでした。

この栄誉は、先生のご指導と、家族の支え、そして、今までお世話になった方々が見守り続けてくださったおかげです。本当に心から感謝を申し上げます。

 

希望が持てず何もかもが嫌になった時期があり、そのときには自分が独りきりのように感じていましたが、

たくさんのおめでとうの言葉と、報告を喜んでくれる声で、私のそばに居てくれるたくさんの人の存在に気づきました。


このことは今後、辛いことがあっても

振り返ったときに私自身を支えてくれるように思います。


2年前の伝統工芸展の本展に応募した作品が選外となり、講評会でいくつもご指摘をいただきました。あまりの悔しさと恥ずかしさで涙を我慢できませんでした。そもそも、工芸会の研究会員会として所属しておりますが、自分の意識の低さを痛感いたしました。

今回の作品については「指摘されたことを全てクリアし完成させる」、意識の面では、冗談でも「趣味の延長でやってます」なんて言わない!と決めて、取り組みました。

明確に「できた」を積み重ねて作る作業は、気持ちの良いものでした。

作品への挑戦以外にも、受賞を受けて取り組んだことがあります。初めて名刺を作ったり、話し方や手紙の書き方を勉強したり、母に今日の着物をお願いし着付けを教わったり、このスピーチもなかなかまとまらなくて大変でしたが学ぶ楽しさを感じ、充実しております。

 

工芸会に所属していなければ、制作と発表が実現せず、学びの機会に出会えないままでいたかもしれません。もっと時間が欲しいと思えるほど、生きることに前向きになれたのは大袈裟かもしれませんが、工芸会のおかげです。

これから、工芸会の中で何ができるかを考え、未来に繋がる中の一員として、学び、恩返しをしていきます。

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長くなりましたが、この様な素晴らしい賞を頂戴したことは、暖かい激励とこれからへの期待が込められているものだと思い、気持ちを引き締めております。皆様の期待に応えるためにも、これからも精進して参ります。今後ともご指導賜りたく、宜しくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。